分子栄養学の学びで知った,吉富信長さんのセミナーが大阪で行われたので,参加してきました.
「ビタミンD」についてです.
単なるビタミンの一種ではない!ビタミンDの力って凄い!
貴重な学びを得ることができました.
ビタミンDは遺伝子に直接働くホルモンである
例えば水溶性ビタミンであるビタミンB・Cは補酵素として働きます.
ビタミンDは,日光浴により皮膚で合成され,肝臓の代謝を経て,腎臓で活性型になり骨形成や血圧調整に使われます.
↑これは何十年も前から言われていたこと.
大事なのは,腎臓だけではなく,全身の各組織で活性型になり,そのまま遺伝子に作用して生理機能に働きかける,ということ.
ビタミンDの受容体は多くの組織と器官にあり,活性型となったビタミンDがこの受容体と結合することで200以上の遺伝子と相互作用するのです.
ビタミンDの効果
免疫のコントロールに関係し,アレルギーや花粉症を改善する研究結果が注目されています.
また大腸がんや乳がんの発症リスクを抑えることができるという報告が多数上がっているそうです.
その他,2型糖尿病や慢性腎臓病の予防や改善に効果があります.インスリンを分泌する膵臓に対して効果的に働く可能性が高いからとのこと.そして腎臓はビタミンDを活性型にする重要な役割があるので,ビタミンDの投与で腎機能を改善するという相互作用があるそうです.
私が注目したのは,ビタミンD欠乏の人は,アルツハイマー型認知症やパーキンソン病になりやすいということ.国民病とも思えるこの2つの疾患を,ビタミンDを充足させることで予防できるのはとても大きいのではないのでしょうか.
また炎症性腸疾患患者も,ビタミンD欠乏でリスクが高まるということです.
このように多くの疾患に関わるビタミンDに着目しないわけにはいきませんね.
ビタミンDの効果的な摂り方
ではどのように体内のビタミンDを充足させればよいのでしょうか.
まずは太陽の恵をいただくということです.
体内のビタミンDは80-90%が日光合成由来で,10-20%が食事摂取由来とされています.
よって,メラトニンを多量に作らない程度に,上手に日光浴することがポイントですね.
ちなみに服や窓ガラス越しではダメだそうで,直接日光を浴びることではじめてビタミンD合成ができるそうです.
食事では,魚・卵・きのこ類です.最後にサプリメント.
ビタミンDは摂取量より,血中のビタミンD濃度をみることが大切で,これは栄養療法をしているクリニックなどで採血が可能です.
まとめ
ビタミンDが普通のビタミンではない,ということがとてもよく理解できた素晴らしいセミナーでした.
2020年,厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」でも,ビタミンDの摂取基準が5.5μgから8.5μgへ大幅に引き上げられるということです.
また日本人のほとんどがビタミンD欠乏ということです.
可能な限り,気持ちいい程度に太陽の恵を浴びて,ビタミンDも意識した食事を摂り,必要であればサプリメントの力もかりて,充足させたいですね.
吉富信長さんのセミナー,素晴らしかったです.
Let’s Have FUN !!