私がグリーフケアを学ぶ理由

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なぜグリーフケアなのか

病院で20年,管理栄養士として働く私がなぜ大学でグリーフケアを専門に学ぶのか.

大きな理由が3つあります.

理由①緩和ケア病棟での関わり

常日頃,管理栄養士として患者やご家族と関わっていくなかで,悲嘆のケアの重要性を痛いほど感じていました.医療者として,栄養の専門家として,そして何より1人の人間として.

患者やご家族は,医療者を選べません.ご縁です.食や栄養に関する全てを,人間性を含めて信頼してもらい,「この病院にきてよかった.」と「あなたに逢えてよかった.」思ってもらえたら,何よりです.

理由②震災支援

2011年の東日本大震災のあと,災害支援管理栄養士として,岩手県に派遣していただいたことがあり,今でも強烈な体験として心に刻み込まれています.

詳しい体験はまたあらためて記事にしたいと思っています.

私は,現地から帰ってきてから無力感に襲われ,1週間涙が出続けた.災害支援管理栄養士といういわゆるボランティアで,目に見えるくらいに誰かの力になるということが目的で行ったのではないのだから当然なのはわかっていましたが,無力な自分に涙が出続けました.

もっと被災者に寄り添い,話しを聴けたのではないか,何か適切な言葉をかけられたのではないか,という想いがずっとありました.

理由③親友の死

私の人生で大きく記憶に残る喪失体験が4年前の親友の死,です

親友とは栄養士の母校でのつながりで卒業後に出会いました.母校にて行われた学生に対する講演会で,私は病院管理栄養士として,彼女はスポーツ栄養士として登壇し,現役の学生に対して様々な現場で活躍する管理栄養士の仕事内容などを伝えるという内容でした.

講演会後,恩師も交えた講師の懇親会で意気投合し,終電まで語り合ってからの付き合いでした.それからは食事に行き旅行に行き,交友を深め10年以上の仲でした.

彼女は肝臓がんの肺転移で天国に旅立ちました.41歳,夢半ばでした.

この喪失体験が,「死は身近にあり,二度と会えないということが現実にある」と認識することができました.だから,家族や友人や患者も,「これが最後かもしれない」と思って接するようになりました.

当たり前のようだけど,一瞬一瞬を大切にする生き方を選ぶようになりました.

学びたいきっかけのほんの小さなひとつひとつ

人はみな,悲嘆を抱えて生きています.

それでいいのです.

グリーフケアを着実に学び,自分の強みとかけあわせて,誰かの力になれたらいいなと思っています.

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この記事を書いた人

管理栄養士
臨床傾聴士
食物栄養学修士
PNTトレーナー
分子栄養学カウンセラー
アスリートフードマイスター

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