患者さんの生前整理に寄り添うということ

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朝10時頃,私のPHSに医師から電話があった.

「元職員(定年退職された60歳代男性)が昨日緊急入院された.病状はとても厳しい.カルテをしっかり見てから会いに行って欲しい.主治医は◯◯先生だ.」とのことだった.

消化器内科の医師からの電話であること,主治医が緩和ケア医であることから,おおよその病状は読み取れた.

カルテを読むと,「肝細胞癌破裂」.今は止血できているけど,また破裂したらすぐに亡くなることも考えられる.

アルコールは全くダメな人だったけど,頭痛持ちで年から年中,頭痛薬を飲んでいた人だった.

病室に会いに行くと,お腹はパンパン.でも,色々話せるし,昔からのブラックジョークも出てきた.

「あぁよかった.色々頼みたいことあった.」

私は全部メモにとった.

・最愛の姪にどうしても会いたいと涙
・遺産相続はすんでいる,兄2人,叔母さん,姪の4等分
・自宅の売却(8000万円)は次男の好きなように
・メインバンクの担当者と直接話がしたい

あとは簡単な手続き関係
・新聞2紙止める手続き
・配管清掃キャンセルなど.

朝から各方面に電話して手続きを完了させていく.銀行マンもすぐに病院に来てくれた.

自宅へ

午後からは総師長とともにタクシーで自宅へ.

・相続関係の書類
・銀行,郵便局の手帳類
最後の自宅整理を手伝った.

自宅からの電話でやっと姪っこさんに電話がつながる.

厳しい病状を伝え,出来るだけ早くに会いに来て欲しいと伝えた.

姪っ子さんは夕方会いに来てくれて,泣きながら笑顔で話されていた.

よかった.

1人の生前整理に立会い寄り添えたこと

私の人生にとってひとつの大きな経験となった.

全ての人に十色の人生があって,大切にしてきたものがある.

大切にしてきたこと,後悔のないように死ぬこと.

それを少しでも支えられたらとあらためて思う.

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この記事を書いた人

管理栄養士
臨床傾聴士
食物栄養学修士
PNTトレーナー
分子栄養学カウンセラー
アスリートフードマイスター

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