コロナ感染者を1人も出し続けていなかった当院
COVID-19が世界を震撼しはじめて1年.
当院は入院患者,職員含め,1人の感染者も出しませんでした.
200床弱の病床をもち,毎日数百名の外来患者を診療し,電車通勤をする職員も多くいます.
特に2020年の初冬に入ってからは,近隣病院,関連病院はほとんどクラスターが発生し,大変な対応に追われていました.
そんな中,1人の感染者も出さなかった当院は,「奇跡」でした.
コロナ患者の感染力の強さ
死者数をみると,コロナによる死者数が圧倒的に少ないことなどから,コロナなんてただの風邪.騒ぎすぎ.等々,様々な意見があるのも知っています.
もちろん色々な見解があるのは当然だし,私も疑問に思うことも多々ありました.
特に,飲食店などへの一方的な制限や,充分な補償がないままの緊急事態宣言とやらも,とうてい納得できるものではありません.
それに病院は,コロナによる貧困や自死者が多くなっている日本の状況に,かなりの危機感を感じていますし,実際それで苦しんでいる患者さんも多く来院していて,社会的資源につなげる支援も増えています.
ただ医療・介護従事者は,コロナの感染力の強さや恐ろしさを感じずにはいられません.インフルエンザとは比にならない感染力の強さ,ただの風邪とはとうてい思えません.
もちろん,医療現場と一般社会は違っていると思うし,そうである必要がある部分がありますので,それでいいとも思っています.
それでも持ち堪えていた当院にとうとう発生
1月中旬でした.院内に衝撃のニュースが走ったのは.
私は当該病棟の師長からのPHS call で知りました.
詳細は割愛しますが,元々当院入院患者で,手術のため4日間のみ他院へ転院していた間に感染したものと考えられました.
当院から送る日はPCR陰性でした.
ただちにシュミレーションしていたコロナ対応の感染対策が開始されました.
保健所は現在多忙すぎて機能していない状態です.保健所は全員濃厚接触者ではない,との見解でそれ以上の介入はありませんでした.
当院の基準で,主治医とリハビリセラピスト数名が濃厚接触者と判定され,ただちにPCR検査をし,自宅待機となりました.
看護師や薬剤師,管理栄養士は準濃厚接触者と判定され,PCR検査の結果待ちとなりました.
長い長い結果待ち
週末の2日間が結果待ちの期間でした.
「クラスターになったら患者さんはどうなるのか」
「クラスターになれば病院は持ち堪えられるのか」
「万が一,自分が陽性だった場合,それまで接していた職員も接触者になってしまわないか.患者さんは大丈夫か」
など,多くの不安がよぎりました.
普段,食事・睡眠・お風呂など,かなり気をつけた生活を送っていますし,太陽を浴びたり,運動をしたり,そしてもちろんビタミンD3・Cや亜鉛などサプリメントも飲んでいるので,自分の免疫力に関して意識高く取り組んでいました.
それでも,いざそういう状況になると,医療介護従事者は「無症状陽性者」にもなることができないのですよね.
日曜日の夕方,看護部長や病棟師長から「全員陰性!」の連絡があった時には,心から安堵しました.
勝負の1週間も乗り越えた
本当はすぐにでもブログに書きたかったのだけど,とにかく結果待ちの2日間は心ここにあらず.SNSも見てなかったですね.
万が一を考えて,近所のお店すら遠慮したし,広い公園を散歩したりしてました.
状況を伝えていた家族や友人と,LINEでやりとりしてました.
院内も今回の患者からの感染拡大もなく,週明けからは,同室患者の完全隔離のみあと1週間残した状態です.
今回の患者さんは,おそらく転院1-2日目にコロナに感染したものと考えられ,当院に戻って来た時には,ウィルスが少なくなっていたのだと思います.
もちろんPCR検査の感度や特異度の問題はありますが,出来る限りの感染対策は継続していきます.
有事に普段の団結力が問われる
結果待ちの2日間は,病院全体が緊張感に包まれていました.
ちょうど土日だったこともあり,実際に顔を見て共有していたわけではないのですが,みんなわかります.
その後の勝負の1週間は,悲壮感とかガチガチの緊張感ではなく,集中力高めで,声かけあって協力しあって,乗り越えました.
笑いもたくさんありました.
コロナのブログ
コロナのこと,今まで書けないでいたのだけど,これからは少しずつ思っていることや,現状などを書いていこうと思いました.
ここまで見ていただいて,ありがとうございました(^o^)